2013年の初頭、当時私はGTA4というゲームにハマっていた。

強者軍団との出会い
2013年と言えば10月にGTA5の発売を控えていたこともあり、
その影響もあってかGTA4のオンラインは再び熱気を取り戻していました。
そんな時、私は「NGU_SOUL」というクランに出会います。
もしかすると知っている方も居られるかもしれません。
というのも当時GTA4でオンラインでデスマッチをすれば高確率で出会うクランでした。
彼らは本当に強く、私は全く太刀打ちできませんでした。
そんなある日いつものように彼らとマッチしたとき、
NGU_SOUL_COOLというメンバーと戦うことになりました。
彼は本クランの中でも一線を画す強さで、チートを疑っても良いほどの強さでした。
しかし、私は彼に何度も立ち向かって戦いました。
すると、その姿勢を気に入ってくれたのか彼から突然DMが来ます。
「お前、内に入らないか?」
彼こそ、強者軍団NGUを束ねるリーダーだったのです。
その誘いを受けた時、私はオンラインでチームに所属する経験が初めてだったので、
とてもワクワクし、その誘いに乗ることにしました。
クランでの活動
彼らは、ほぼ毎日GTA4にログインしており、活動内容は
フリーモードでの荒らし、探索、鬼ごっこと様々で、
どれも大人数でやるので楽しさも以前とは比べ物になりませんでした。
中でも一番力を入れているのがやはりデスマッチ。
一日の活動時間の大半はこのデスマッチに充てられていました。
そして私がNGUに所属してから3日目、クランでチームデスマッチを始めると
相手チームに「S.T.A.R.S」というチームが出てきました。
私は彼らの事も知っていました。
というのも彼らS.T.A.R.Sも頻繁にデスマッチで戦っており、
一人一人がめっちゃくちゃ強いのです。
私はリーダーに「こいつら知ってる、めっちゃくちゃ強い!」と
チャットを送りました。
しかしリーダーは無言のまま。
返答がありません。
そうして試合が始まります。
私は案の定ボコボコにされます。
この試合に参加している野良やクランの味方もバタバタと倒れていきます。
異常な速度でこちらのデスログが積み上がっていきます。
「やはり負けるか」そう思ったとき、
NGU_SOUL_COOLがS.T.A.R.Sをキルするログが出てきます。
しかしそのキルログは私達のデスログで一瞬で流れていきます。
ですが、またリーダーのキルログが次々と現れます。
そして私は気づきます。
NGU_SOULはS.T.A.R.Sより確かに弱かったのですが、
リーダーのCOOLはそれを上回る圧倒的な強さを持っていたのです。
そして試合が終わり、結果は我々の負け。
仕方がありません。
しかしリザルトを観ると2位のS.T.A.R.Sメンバーに2倍以上の差をつけて
1位に君臨するNGU_SOUL_COOLの姿がありました。
そして戦いが終わった後、私はクランメンバーから
「我々NGUはS.T.A.R.Sとライバル関係にある」という事を教えられました。
それを聞いた瞬間、私はワクワクが止まりませんでした。
・GTA4内にある2大派閥の争い
・長年のライバル関係
「メンバー層の厚いS.T.A.R.S VS 圧倒的強者が率いるNGU」という対立構造。
そんなクラン同士の戦いに胸を躍らせながら私も闘争の日々を送ることになります。
そして1ヶ月が経った頃、私はリーダーにかなり気に入られており、
デスマッチで活躍する技術を徹底的に教え込まれました。
すると野良のデスマッチではほぼ負けなし、
クラン内の練習でもリーダーこそ倒せませんが
上位の成績に入るようになりました。
そうして自らの地位を確立する中、
突如S.T.A.R.Sのリーダーから私に連絡が入りました。
確か名前はドラミネーター。(綴りは忘れました)
どうやって連絡を取ってきたか?
ここで明らかになったのですが、
なんと彼はNGU内部に潜むスパイだったのです。
「敵クランのリーダーがNGU内部にいる」
この事実に私は驚きを隠せませんでした。
そして彼は私に「S.T.A.R.Sに入らないか?」と
誘ってきました。
表向きは「まだNGUに入隊して日が浅い割に成長が早い君に興味を持った」
という事でしたが、実際はリーダーと仲が良い私を離反させることが出来れば、
組織内で不和が産まれ弱体化を図れる。
そういう狙いの元での誘いでした。
そして私はその狙いに気づいていました。
私はリーダーが何かを提案すれば私は必ず「OK」と返事し、
常に活動の参加率はトップでした。
そしてリーダーとはただのクラン活動だけではなく、
一緒に動画撮影をするほどの仲でした。
クランに誘われてからずっとリーダーと一緒に
GTA4の世界で暮らし、色々教わりながらお互いの絆を深めていきました。
なので「え、めっちゃ面白そう」と返答し、
NGUを抜けることにしました。
裏切りの夕焼け
そうしてドラミネーターは私に組織を抜けるプランを指示します。
次の土曜日、NGUの定例活動にてデスマッチが終わった後、
突如「皆に話がある」と言って私から脱退することを告げる。
というものでした。
そうしていつものようにリーダーから
「今日来れる人?」とスカイプで連絡が来て、
真っ先に私は手を挙げてクラン活動に参加。
デスマッチでも、フリーモードでのかくれんぼも楽しんだ後、
「そろそろ今日は解散するか」という流れになりました。
ゲーム内時刻は丁度夕方になっていました。
西の空をオレンジ色の夕日が照らしていたのを覚えています。
そして私は一言「今日でNGUを引退します」とチャットを送りました。
正に裏切りの夕焼けです。
全く予想していなかった私の引退発言にNGUクラン内は騒然としました。
中でも一番驚いていたのが内のリーダーNGU_SOUL_COOLです。
「え?なにを言っているの?」「無理だから、抜けられないから」と
引き止められましたが、私は「いや俺は自由だ」と返します。
その一部始終をドラミネーターはNGUのアカウントで見ていました。
リーダーは「ふざけるな」と怒りを表していました。
もっともな意見だと思います。
リーダーは何も間違っていません。
なので私は「黙れクソガキ」「年下の癖にイキってんじゃねえ」と言いました。
リーダーは「意味が分からない!意味が分からない!」と発狂。
スカイプ内は阿鼻叫喚の一色に染まり、聞いたことのない断末魔が音割れしています。
一方S.T.A.R.Sのグルチャは大盛り上がり。
なんとドラミネーター以外にもスパイが潜んでいたのです。
その中にはNGUのNo.2のsetsunaという方もいました。
「普通に酷いことしたな」と27歳になった今、反省しております。
そしてこの出来事はNGU、S.T.A.R.S両方の歴史に刻まれることとなったのです。
~チャンチャン~